TRANCE DJ
大切な友人に誘っていただいて久しぶりにDJをした。15年ぶり、と言ったら、当時の常連客である友人に訂正された。私の最後のDJは2010年だから、14年ぶりだそうで。
以前まではCDJを使用していた。今回はUSBでデータ持ち込み。勝手が違うが、問題なく出来た。
何でDJをやっているかというと、自分のmixが好きだからだと思う。どんな有名DJの素晴らしいmixよりも、自分のmixが断然好きだと思う。自分が好きなように作ったのだから当たり前だ。お客さんのノリに合わせてとか、当日の場の雰囲気とか、そういうのは考えたことがない。自分が個人的にいちばん完璧で最高だと思うmixをみんなで爆音で聴けることが私は嬉しい。他のDJはそうではないかもしれない。
自分のプレイが終わって、客として来てくれた昔の音楽仲間である友人が、ありがたいことを教えてくれた。友人は私のことを憧れのアーティストだと思って一目置いていたというのだ。今回、私が出演することを楽しみにして来てくれたと。その友人のほうがよほどWikipediaにも載っているような立派なアーティストだ。
思えば十何年前、私が自分で主催したDJイベントには、いつもたくさんのお客さんが集まってくれていた。私はお客さんに関心を持たずに、自分の好きな音楽をやっていた。いちばん自分のプレイを理解しているのはダントツで自分で、お客さんに伝わるのはごく一部だと思う。何となく喜んでもらえているという程度の認識だった。自分は誰かの憧れになれていたのだろうか。音楽は自信を持って人に聴かせている一方で、自分で自分自身のことは、存在するだけで恥ずかしいようなものだ。
こうして私を見つけてくれていた人がいて、自分を少し違う角度から見ることができると、自分の好きな自分になれていることが、本当にありがたい。感性で繋がる仲間たちと、これからきっとまた一緒に過ごせる。当時は集団での関わりで、そういえば仲間と個人的に仲良くはしていなかったが、一人ひとりと関わってみたいと思う。