:: aquadrops ::

人に見てもらうということ

 

港区のある情報誌の表紙を作った。

今回の表紙は台場地区ということで、
写真を撮って、レイアウトした表紙を提案した。
そうしたら、低解像度で圧縮したサンプル画像を
そのまま使われてしまったのがちょっと残念なのだが、
でも、従来のものよりぐっと良くなったと思う。
これならば、今まで手に取ったことがなかったという方も、
少しくらいは中身を開いてくれるのではないだろうか。

中身はまだ従来のまま。
きちんと上質紙で製本されているわりには、
誰かがパワーポイントで3か月くらいかけて作ったような感じだ。
編集員のみなさんが一生懸命作っているにもかかわらず、
こういうところで価値を落とすのは
非常にもったいない。

質が悪いという話ではない。
「情報誌」である以上、時間をかけて作った感じ、では駄目なのだ。
あわてて発行したような安っぽさがあった方が良い。
写真はカラフルでも、それ以外は単色使いであること、
書体の種類が少ないこと、文字の大きさも数種類でメリハリがあること、
余計な背景や囲みや立体感がないこと、など、
保存版の冊子を作るのとは違った配慮が必要となる。
鮮度を感じさせる単純明快なデザインが良い。
あまり凝ると、90年代のホームページのような印象になってしまう。

また記事の並びも重要だ。
まず先の予定の告知があって、その後に付随するように
過去のレポートがある、というふうに、
ニュースを前面に出すことが大事だ。
実際に見てもらいたいのは過去の報告であったとしても、
人が自発的に情報を探すのは、新しい情報に限る。
まず告知を見て、そのついでに、ついつい全部見てしまった、
そうしたら面白かった、というのが良い。

さらに、新しい読者を意識した構成にしたい。
読者は高齢者が多いから、背表紙に高齢者向け情報、
というのでは、読者は減る一方。
背表紙には、育児情報が良い。
育児世帯は、地域の情報を必要としているはずだし、
読者としても増える一方だ。

全戸に配布するものならば、
紙質も落として、ページ数も減らして、
環境や経費に配慮したものであってほしいと思うが、
こういった事というのは、急には変えられないので、
まずは表紙のみを提案した。
一歩一歩、無理なく変えていきたい。

写真の内容は、実際に住んでいる人が見た台場地域、を撮った。
観光地お台場、ではない。
スーパーの前から、マンションの前から、公園から、
学校や、子供の遊び場、緑の多いところなどを撮った。

台場地域には、みんなが思っている以上にたくさんの人々が暮らしている。
特に子供が多い。学校もある。公園もある。
しかしながら、生活に便利な街のつくりになっていないのが現状だ。
観光地としてのイメージを払拭し、
暮らしをアピールしていくことが大事だと思う。
本当は、最寄り駅の写真「東京テレポート駅」を入れたかったのだが、
港区の境界線がぎりぎり駅の手前側にあるということで割愛された。

今回から参加した編集会議、何か地域の力になれればと思う。